賃貸物件の敷金とは?返金までの流れと返ってこないときの対処法も解説
アパートやマンションなどの賃貸物件を借りるときには、さまざまな初期費用がかかり、入居者としては負担感が大きくなるかもしれません。
ところで、初期費用の1つである敷金とは、何を目的にしているものかご存じでしょうか。
この記事では、敷金とは何かのほか、返金されるまでの流れや返ってこないときの対処法についても解説するので、賃貸借契約を結ぶ予定の方はお役立てください。
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賃貸物件における敷金とは
アパートなどを借りるときには引っ越しの費用もかかるなど、何かと出費が発生してしまいがちになります。
それなのに賃貸借契約の締結にあたってさまざまな初期費用を支払う必要があり、出費を抑えたいと考える方が多くみられるのは理解できます。
ここでは、賃貸物件における敷金とは何かについて解説するので、参考にしてください。
敷金とは
アパートなどを借りると、退去するときに修理が必要な箇所があるとオーナーから原状回復を求められるのが一般的です。
原状回復には費用がかかりますが、入居者が負担できないときにはトラブルに発展する可能性があります。
敷金とは原状回復にかかる費用をオーナーに先に預けておく費用であり、修繕費などの費用に充てたうえで残った金額については入居者へ戻ってきます。
また、契約期間中に滞納が発生したときには家賃債務にも活用され、担保の側面も持ち合わせている費用です。
退去にあたって修理する箇所がなく滞納もないときには入居者に全額が返還されるものであり、賃貸借契約を締結するうえでの預り金として受け止めてよいでしょう。
相場
金額については、法律などで規定されているわけではありません。
また、地域によって取扱いが異なるとともに、オーナーの考え方によって差がある点に注意が必要です。
国土交通省が公表している令和3年度住宅市場動向調査報告書によると、家賃の1か月分としている物件が半数以上を占めています。
次に、2か月分の家賃相当額としているケースが多くを占めています。
これに対し、敷金の代わりに保証金が設定され、家賃の3〜6か月分と高額な費用が必要になる地域もみられるなど、取扱いはさまざまです。
敷金ゼロ
近年は賃貸物件の数が多く、オーナーは空室の対策が重要な課題となっており、入居者を確保できるよう物件の魅力として敷金ゼロを設定する傾向があります。
ただし、これらの物件において、退去する際の原状回復が求められなくなったわけではありません。
賃貸借契約書において、退去の際に発生する修繕やハウスクリーニングの費用について別途請求すると規定されている可能性があります。
また、滞納リスクを防止する対策として、家賃保証会社への加入を契約の条件として設定している物件もみられます。
したがって、ゼロ物件をみかけたときには、契約内容を慎重に確認しましょう。
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賃貸物件における敷金は返金されるまでの流れとは
退去する際に修繕が必要な箇所がなく滞納もしていないときには、敷金は入居者へ返還されるのが基本になります。
ここでは、敷金が返金されるまでの流れについて解説します。
精算内訳書の合意
退去にあたってはオーナーの立会いにより部屋の状況を確認し、修繕が必要な箇所を確定させなければなりません。
修繕する箇所があるときには、オーナーから施工に関する見積りを提出してもらいましょう。
立会いから1か月以内に、精算内訳書が届くのが一般的です。
入居者は精算内訳書の内容を確認し、疑問や不明な点があるときには早めにオーナーへ連絡するようにしましょう。
返金
敷金から原状回復に必要な費用を差し引いたうえで残った金額は、オーナーから入居者へ戻ってきます。
ただし、設備の故障や修繕箇所の数によっては、返金されるまでに時間がかかる可能性があります。
返還期限は法律などで定められていませんが、賃貸借契約書で規定しているケースが一般的です。
返還期限を過ぎたときには、オーナーに対し返還を求めましょう。
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賃貸物件における敷金が返ってこないときの対処法とは
アパートやマンションなどの賃貸物件においては、原状回復に費用がかかったとしても残金を返還するのがオーナーの義務になりますが、返ってこない事例も発生しています。
ここでは、敷金が返ってこないときの対処法などについて解説します。
退去時の問題点
退去にあたって、原状回復に関してはトラブルになりやすく注意が必要です。
原状回復の範囲については、国土交通省が示している原状回復をめぐるトラブルとガイドラインが指針とされていますが、ガイドラインには法的拘束力がありません。
ガイドラインでは、入居者の故意による壁への落書きや設備の損傷、喫煙によるにおい、家具の移動などで発生した傷などは入居者負担の範囲としています。
一方で、経年劣化や故障のほか、通常の使用による汚れなどについてはオーナーが負担する範囲と示されています。
また、ハウスクリーニングも入居者が負担する範囲から外れていますが、賃貸物件のなかには退去に際してハウスクリーニング費用を求められるケースが少なくありません。
さらに、入居者が借りた時点でついていた傷についても、入居後につけたと疑われる可能性があります。
原状回復の範囲が不明確である限り、修繕などを実施する箇所についてはオーナーとの交渉が必要になります。
トラブルを防ぐうえで、賃貸借契約を締結する時点で原状回復の範囲を確認するとともに、入居時の状況については写真を撮影して記録しておきましょう。
返還の請求
賃貸物件を退去する際には、オーナーから、原状回復費用に係る見積りや精算内訳書を提出してもらう必要があります。
そのうえで、賃貸借契約書で規定されている返還期限までに敷金が返還されないときには、毅然とした態度で返金を求めましょう。
民法622条の2第1項において、原状回復費用を差し引いて余った敷金については入居者へ返還するのがオーナーの義務であると定められています。
入居者は敷金の返還を請求できる権利を有しており、怯むべきではありません。
少額訴訟
オーナーが返金に応じてくれないときには、地域の消費生活センターなどへ相談する方法があります。
オーナーと話し合っても互いの意見が平行線になるなど解決できないケースがあるでしょう。
そうしたときには、法的措置をおこなうと明記したうえで内容証明郵便により正式に返還を催促するとよいでしょう。
内容証明郵便は、誰が、いつ、どのような内容を送ったかについて証明できる法的な証拠になります。
それでも、オーナーが返金に応じてくれるとは限らず、返金されないときには強力な手段で訴える必要があります。
弁護士へ相談すると高額の費用がかかり、この段階では簡易裁判所に対し少額訴訟を起こすのが適当でしょう。
少額訴訟は60万円以下の支払いを求めるときに限って利用できる制度であり、1回の審理で判決を得られる点が特徴です。
なお、手数料がかかりますが、10〜20万円未満のときは2,000円で済みます。
判決書や和解調書に基づいて強制執行を申し立てるのが可能であり、敷金の返還を求める訴訟に適しているでしょう。
ただし、少額訴訟は審理が迅速におこなわれる一方、被告が少額訴訟による審理を拒否すると通常の訴訟に移行する点に注意が必要です。
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まとめ
今回は、敷金とは何かのほか、返金されるまでの流れや返ってこないときの対処法についても解説しました。
アパートやマンションなどの賃貸物件を借りるときに敷金を求められるケースがありますが、退去する際に修繕が不要なときや滞納していなければ入居者に返金されます。
ただし、退去にあたって原状回復の範囲でトラブルにならないよう、契約時に内容を確認するとともに、室内の状況を写真などで残しておきましょう。
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